腸の辞典

「さあ腸活!」その前に腸ってどんな器官?腸の役割・働きとは《腸の辞典》

ここ数年、テレビ・SNS・雑誌等でよく耳にする「腸活」。腸活について話しをすると、

「知ってます。腸が大切ってよく聞きます。」
「腸活すると便通が良くなるんですよね。」

と多くの方がおっしゃいます。

そうなんです。
でもそれだけではないのです。

そもそも腸はどのような働きをしているのか?

腸活を学ぶまで、私が恥ずかしながら、腸の働きで知らなかったこと。

腸活そするその前に、腸が日々どのような働きをしているかをご紹介します。

 

1.小腸・大腸の異なる働き

小腸は、十二指腸、空腸、回腸から成り、長さは約6~7mあります。小腸では主に、食べた物の消化、吸収を行なっています。

大腸は、小腸から繋がる、盲腸、結腸、直腸から成り、約1.5mあります。小腸から送られてきた食べ物の残りカスから水分を吸収し便にして排出します。

腸では蠕動(ぜんどう)運動により、腸内の内容物を動かしています。

 

2.小腸の役割

小腸では、食べた物の消化、吸収のほとんどが行われています。

太さは約2.5cmで、内壁には絨毛と呼ばれる数百万もの突起があり、そこを含めて全て広げると、テニスコート1面分の広さになると言われています。

そのように広い表面積があるのは、多くの栄養素を吸収し、より効果的に血液に送り込むためです。

   

3.大腸の役割

大腸では、小腸から送られてきた食べ物から水分やナトリウムを吸収し、便にして排泄する役割があります。

太さは約5~8cmで、小腸の周りを取り囲むように位置しています。

消化器の最終地点である直腸に一定量の便がたまり、腸管内の圧が高まることで便意が起こり排便されます。

内壁は粘膜で覆われていて、粘液が分泌され便を滑らかに動かします。

 

4.腸は体内最大の免疫器官

体内の免疫細胞の約70%は、腸内に存在しています。

消化器官では、口から肛門まで一つなぎになっているため、口から入り込んだウイルスなどの細菌や異物と関わることが多くなります。

消化器官の中でも腸は、吸収する器官であるため、有害な物質を体内に入れないために免疫機能が発達しています。

 

5.腸を整えると起こる7つのうれしい効果とは?

免疫細胞の70%が存在している腸。腸には数百種類の腸内細菌が存在していて、重さは1.5kg~2kg程になります。

重さにすると1.5kg~2kg程になります。たくさんの種類の菌がバランス良く住みついていることを「腸内環境が整っている状態」というのです。

腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つのグループに分けられます。

善玉菌は、健康にとって良い作用を、悪玉菌は、増えすぎるとカラダに悪い作用をする菌です。日和見菌は、その時によって優位な方に同調して作用します。

理想的な、善玉菌:悪玉菌:日和見菌のバランスは、2:1:7。

この割合ですと腸内では善玉菌が働きやすい環境になると言われています。

腸内環境を整えると、便通の改善だけではなく、他にも体内ではうれしい変化が起こります。

 

1.免疫力が上がる

消化・吸収の過程で、体内に入ってしまったウイルスや有害物質から体を守るために、腸には免疫機能の約70%が集まっています。

2.やせやすくなる

腸内細菌が作る「短鎖脂肪酸」により、健康的に体重を減らしていく事ができます。

3.女性ホルモンのバランスが整う

腸内では幸せホルモンと呼ばれているセロトニンを90%以上合成しています。リラックス出来て、幸福感を感じやすくなります。

4.肌トラブルの改善

腸内環境が整うと、老廃物が正常に排泄され、肌の修復を行なうビタミンが生成されます。新しい肌も作られます。

5.睡眠の質の向上

腸内では、睡眠の質を高めるメラトニンやロトニンを合成しています。

6.メンタルのバランスが整う

腸内細菌が作り出す物質には、心を健康に保つGABAなどがあります。また、セロトニンが脳で使われることによりストレスの緩和にも繋がります。

7.疲れにくい体になる

食べた物を活用し吸収できるようになることで、体内でエネルギーが作られ、疲労回復や体の修復をすることができます。

まとめ

腸内環境を整えると、体と心に沢山のうれしい効果が起こります。便通は毎日の腸からのサインです。便通を便りに、先ずは自分の体に合った食生活を見直して、続けていく事が大切です。