腸活にはヨーグルト?実は効いていないかも!気を付けたい3つのポイント《腸の辞典》
「便秘改善のために毎朝ヨーグルトを食べています!」
こうおっしゃる方はとても多いように感じます。
でも「便秘や体調改善の実感はありますか?」と尋ねると、
「…ありません」「よくかりません」とおっしゃる方も、実はたくさんいらっしゃいます。
今日は「ヨーグルトではなかなか便秘が改善しない…」という方に、気を付けてほしい3つの原因と対策をご紹介します。
お子様への与え方の参考にもなりますように。
1.その菌、あなたに合っていないかも!
そもそも「ヨーグルト」とは、乳を発酵させた食品で、体にいい働きをする「乳酸菌」が豊富な食べ物です。
乳酸菌は大腸にすむ善玉菌のビフィズス菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
人の体、腸の中には200種類、100兆個もの腸内細菌がいるといわれていますが、その環境は人それぞれ。
あなたの食べているヨーグルトに含まれる乳酸菌が、あなたの体や腸内細菌にあっているかどうかを調べるには、同じ銘柄のヨーグルトを2週間食べ続けてみる必要があるといわれています。
2週間チャレンジですね。
2週間経過後に体の状態がよくなっていれば、そのヨーグルトはあなたの体にあっているヨーグルトだといえます。
一方、とくに変化がなければそのヨーグルトはあなたに合っていない可能性があります。
違う銘柄のヨーグルトをまた2週間試してみてください。
2.動物性乳酸菌はとってもデリケート
「乳酸菌」は体にいい働きをする菌ですが、実は「動物性乳酸菌」と「植物性乳酸菌」の2つがあります。
動物性乳酸菌は乳を発酵させた食品(ヨーグルトやチーズなど)に含まれ、植物性乳酸菌は野菜や大豆など植物を発酵させた食品(漬物や味噌、納豆など)に含まれます。
この2つの乳酸菌、実は菌の「強さ」が違うと言われています。
動物性乳酸菌は、温度や栄養に恵まれた環境で育ってきた菌。
そのため強い酸性の胃酸でその多くが死んでしまうのです。
死菌でも腸内細菌のエサとして有益なのですが、ちょっともったいないですね。
一方、植物性乳酸菌は、漬物にイメージされるように、塩蔵・低温のような過酷な環境で育つ菌です。
生命力が強く、胃酸を突破し、生きて腸まで届きます。
そのため「乳酸菌」を摂るなら「植物性乳酸菌」のほうが腸で効率的に働いてくれる菌だといえるので、味噌や納豆、甘酒といった植物性の発酵食品から摂るのがおすすめです。
3.お腹は冷やしちゃだめゼッタイ!
腸の機能を高めるためには「体を冷やさない」ことが大切です。
ヨーグルトはご存じの通り、冷蔵品。
冷蔵庫から出してすぐ食べると、体のなかからお腹を冷やし、腸の動きを悪くしてしまいます。
ヨーグルトを食べる時は、冷蔵庫から出したあと、少し時間をおいてから食べるようにしてみてください。
4.試してほしい!ヨーグルトを楽しむポイント3つ
ヨーグルトを食べるときに気を付けたいポイントをご紹介してきましたが、ヨーグルトは栄養価も高く、朝食やおやつにもぴったりの食品。
ヨーグルトを楽しむポイント3つをご紹介します。
①ヨーグルトは無糖!
加糖されたものやゼラチンを含むものではなく、無糖のものを選びましょう。
②トッピングにはオリゴ糖!
トッピングには腸内細菌のエサとなるオリゴ糖を含む食品をあわせるのがおすすめです。
リンゴやイチゴ、キウイなどのフルーツや、はちみつ、甘酒などを加えれば、砂糖なしでも美味しくいただけます。
私のおすすめは、ドライフルーツ(レーズンやプルーン、イチジクなど)をヨーグルトに一晩漬けておくこと。
フルーツの甘味がヨーグルトに移りつつ、ドライフルーツは水分を含んでぷるぷるになりますよ。
③女性に嬉しい「豆乳ヨーグルト」
豆乳ヨーグルトは大豆から作られた豆乳に乳酸菌を加えて発酵させた、植物性乳酸菌が豊富な発酵食品。
動物性のヨーグルトに比べ、低糖質で低カロリー。
女性ホルモンのバランスを整えるイソフラボンが豊富なところも嬉しいポイントです。
さらに、大豆オリゴ糖という腸内細菌のエサとなる栄養素も含み、腸内細菌が喜ぶ「菌とエサ」を一度に摂ることができる食品です。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
「腸活といえばヨーグルト!」を実践しつつも、いまいち効果を実感できていない方のご参考になれば嬉しいです。
今はスーパーでもたくさんの種類のヨーグルトが並んでいますよね。
お腹に「効きそうな」菌の名前もあふれています。
でもそのなかから自分に合う菌を見つけるのは、実は至難の業…
今食べているヨーグルトが「合っている!」と実感されている方はとてもラッキーです。
いまいち効果を実感されていない方は、別の銘柄で2週間試したり、食べ方やトッピングを変えてみてくださいね。
そして「自分の体や腸内環境に合っている食べ物かどうかを判断することが大事」なのはヨーグルトに限った話ではありません。
体にいいものを1日だけ食べても、あるいは、いいと信じて同じものばかりを食べ続けても、多様性に富んだ腸内環境を保つことができるとは言えないからです。
体の変化に意識を向けながら、バランスのよい食事を心がけていきたいですね。
参考
- 『腸図解 面白いほどわかる腸の新常識』西野晴夫,藤田紘一郎,松生恒夫監修,宝島社,2020
- マルサンアイ株式会社HP https://www.marusanai.co.jp/sports_health/choukatsu/(最終閲覧日2021年8月11日)
6歳と1歳の二児のママ。産前産後で悪化した自身の便秘と我が子の便秘をきっかけに腸活に取り組む。
「腸活=発酵食品を取り入れた和食中心の食事法と生活習慣の見直し」の実践で、親子で体調が改善。
「あれもこれも」ではなく、自分の体調と暮らしにあった腸活に取り組むことの重要性を実感。
同じように家族の健康を願うママのために、忙しくても料理が苦手でも続けられる腸活情報を発信中。