腸内フローラってなに?腸の中で『幸せ物質』作り出す!!~『食べる』を見直して腸内をお花畑に《腸の辞典》

あなたが知らない間にも、腸の中では日々『幸せ物質』が作られています。
身体や便通の調子が良いときは、それほど意識していない『腸』のこと。
『腸』の状態は、便を排泄する時にしか、見えるところに現れませんが、こうしている間にも、腸は、体の中で必要な働きを沢山」してくれています。

例えば、おいしいものを食べて『幸せ』と感じたり、好きな場所を訪れて『幸せ』を感じたり。

『幸せ』を感じるところは脳の中ですが、その『幸せ物質』、ドーパミンやセロトニンを作り出している所は、腸の中にあります。

今よりもっと『幸せ』を感じやすい体にするため、腸の中を菌が住みよいお花畑にしていきましょう!

1.腸内フローラってなに?

腸内フローラとは、腸内に生息している細菌の集団(腸内細菌叢)のことです。
便1g当たり、1000億個の菌が、人の消化器官全体には100兆個もの菌で構成されています。

私たちの腸の中で、共に生きている沢山の微生物です。
その沢山の微生物が腸内に生息している叢(くさむら)を、草木やお花畑にみたてて腸内フローラと呼ばれています。

腸内細菌は、私たちが生きていく上で、必要な生き物です。
自分の腸の中の広い土地に、何を植え、育てて、どんな美しい花を咲かせるかは、私たちの毎日の生活習慣にかかっています。

2.バランスの取れた『腸内環境』とは

バランスの取れた腸内細菌は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌が、2:1:7の割合が理想的と言われています。

日和見菌は、腸の中の善玉菌・悪玉菌、どちらか多い方の味方をする菌です。
善玉菌の代表であるビフィズス菌は、腸の中を酸性にする働きがあります。
ほとんどの有害な菌は、酸性の状態で死滅するので、腸内には防御効果として乳酸菌は欠かすことができません。

悪玉菌は、大腸菌、ウェルシュ菌等があります。
これらの菌は、たんぱく質やアミノ酸を分解して、アンモニア、硫化物などの有害物
を生成します。これらの物質が腸から体内に送り出されることで、
がん、高血圧などの生活習慣病を引き起こすにな原因となってしまいます。

3.悪玉菌は腸にとって『悪』なのか?

ではなぜ、『悪玉菌』は『悪』と名がつくのに、1割の割合で腸内にいることが理想とされているのでしょうか?

『悪玉菌』が完全な『悪』であれば、腸内の免疫の働きにより、腸管から排除されてしまいます。
しかし、そうなっていないのは、なぜでしょう。

悪玉菌の代表、大腸菌には、ビタミンを合成したり、O-157等の病原体が、腸内に住み着いてしまうのを防ぐ役割があります。

腸内のバランスをとる上で、悪玉菌が増え続けていく事は、腸にとって良くないことですが、全くいない状態にすることは、かえって腸にマイナスの影響が出てしまいます。

また、『日和見菌』は『善玉菌』・『悪玉菌』のどちらが多い方の加勢をする菌ですので、腸内の状態は、『善玉菌多め>悪玉菌少なめ』の状態を保つことが理想的です。

4.『幸せ』を感じるカギは『腸内フローラ』

『幸せ物質』と言われている、セロトニンやドーパミンは脳内で分泌されるホルモンの一種です。

セロトニンは、食べた物に含まれるたんぱく質から作られます。

しかし、食べた物からたんぱく質を摂っても、腸内細菌がいなければ、セロトニンは脳の中で増えないということがわかってきました。

腸の中にある『腸内フローラ』が、お花畑のようにきれいに生い茂っていると、私たちは、『幸せ』や『健やかさ』を感じやすくなります。

逆に『腸内フローラ』が荒れた状態、お花畑が枯れた状態ですと、体に不調をきたし、暗い気持ちになってしまいます。

幸せを感じやすく、健やかな毎日を過ごしていけるようにするためには、日々の生活習慣が大切になってきます。

5.生活習慣によって変化する『腸内フローラ』お口の中から腸まで~今日からできること~

では『腸内フローラ』をきれいなお花畑に保つために、すぐに始められることは何でしょうか?

腸内フローラをより良い状態にするためには、一瞬で良くなるようなサプリメントや、そればかりを食べ続けると、必ず良くなるといった食べ物はありません。

消化器官は、お口に食べ物が入ってから、腸で消化吸収され、便として排出されるまで、平均24時間から72時間かかると言われています。

食べるものは、その方の腸の状態によって摂った方が良いものや、食べる順番が変わってきたりしますので、ここでは、今日から始められて、一緒に続けていけそうなことを、お話ししたいと思います。

  • よく噛んで食べること。
  • 日本食をできるだけ選んで食べること。
  • 朝コップ1杯のお水を飲むこと。
    • 飲む前に歯を磨くと、寝ている間に増えている口腔内の菌が腸に入りにくくなるためより良いです
  • よく笑うこと。
    • おもしろい事がなくても、口角を上げて、笑顔を作ることで脳が楽しいと錯覚し、ナチュラル」キラー細胞が活性化します。

6.まとめ

私は、腸内環境を見つめなおす事でより健やかで、幸せな毎日を過ごすことができるようになりました。

腸が喜ぶことを始められることから行うことで腸内環境は変わってきます。
より健やかでより幸せを感じやすい日々を過ごしていけるよう、できることから始めてみるのはいかがでしょうか。

是非、一緒に、腸内のお花畑をきれいにさかせ続けましょう!

参考文献

『腸内革命 腸は、第二の脳である』著者 藤田 絋一郎(2011年)

『おなかにいるよ!ゆかいな仲間』腸内細菌叢キャラ図鑑 監修 藤田 絋一郎(2017年)

『腸内フローラの科学』 著者 野本 康二(2020年)

✒コラム執筆
腸の学校®インストラクター
勝井弘美(HIROMI KATSUI)

勝井弘美インストラクター
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