「睡眠不足」が便秘・アトピーの原因?腸を整える過ごし方

「食物繊維をとって、発酵食品を食べて、水をこまめに飲んでいる。」
毎日これほど気をつけているのに、便秘やアトピーがなかなか改善しない悩みを抱えていませんか?

もしかすると、見落としているのは「睡眠」かもしれません。腸と睡眠は深くつながっていて、どちらかが乱れると、もう一方に影響が出やすくなります。この記事では、「睡眠不足と腸内環境の関係」「今日から始められる習慣」の2つを具体的にご紹介します。

睡眠不足が原因かも?便秘・アトピーが改善しない理由


食事に気をつけていても、寝る時間が遅かったり、休日に昼まで寝ていたりと、睡眠リズムが乱れている人は少なくありません。この「睡眠の乱れ」が、腸の不調を長引かせていることがあります。

睡眠不足が腸内環境を乱す可能性がある

腸はうねりながら便を先へと送り出しています。この動きを「蠕動(ぜんどう)運動」といい、それをコントロールしているのが「自律神経」です。

自律神経は、体の働きを自動で調整している神経です。車にたとえると、活動するときの「アクセル(交感神経)」と、リラックスしたり眠ったりしているときの「ブレーキ(副交感神経)」という2つの役割があります。腸はブレーキが効いているときによく動くため、ぐっすり眠ることが翌朝の排便につながります。

ところが、睡眠不足が続くとアクセルを踏んだままの状態になり、腸の動きが鈍りがちです。便が腸に長くとどまると、腸内細菌のバランスも乱れやすくなります。腸内を「お花畑」にたとえると、手入れが行き届かず、花(善玉菌)より雑草(悪玉菌)が増えてしまう状態です。

腸には、体を守る免疫細胞が多く集まっています。お花畑が荒れると免疫のバランスも崩れ、本来は無害なものにまで過剰に反応してしまうことも。その結果、アトピーなど肌の不調にもつながると考えられているのです。

乱れた腸がさらに睡眠不足を招くことがある

睡眠不足で腸内環境が乱れると、今度はその乱れが睡眠を妨げることがあります。腸と脳は神経でつながっていて、ホットラインのように情報交換をしています(腸脳相関)。緊張するとお腹が痛くなるのも、このつながりによるものです。そのため、腸の乱れが脳に伝わってリラックスしにくくなり、「アクセル(交感神経)」が働いて寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりするのです。

また、アトピーに悩む人は、肌のかゆみで夜中に目が覚めてしまうことも少なくありません。こうして睡眠が妨げられることで、さらに睡眠不足になってしまいます。

睡眠不足が腸を乱し、乱れた腸がさらに睡眠不足を招く。この悪循環が、便秘やアトピーがなかなか改善しない理由のひとつと考えられます。

睡眠不足から卒業!腸が喜ぶ「夜と朝の習慣」4つ


夜はしっかりブレーキをかけて休み、朝はアクセルに切り替える。このメリハリが腸のリズムを整えます。

【夜の習慣①】夕食の時間と入浴方法を見直す

就寝直前の夕食や夜食は、睡眠を妨げる原因になります。夕食は、寝る2〜3時間前までに済ませるのがおすすめです。寝る直前に食べると、就寝中も胃腸が消化作業を続けるため、浅い睡眠になってしまいます。夕食が遅くなる日は、汁物や雑炊など軽めのメニューにすると、胃腸への負担を減らせます。夕方以降のカフェイン摂取や寝酒も睡眠に影響を与えるため、控えるようにしましょう。

入浴のポイントは、寝る1〜2時間前に、40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることです。寝る直前に42℃以上の熱いお湯に浸かると、「アクセル(交感神経)」が働いて目が冴えてしまうので注意が必要です。ぬるめのお湯なら「ブレーキ(副交感神経)」が働き、入浴で上がった体温が下がっていくタイミングで、自然な眠気が訪れやすくなります。

ゆっくり入浴する時間がないときは、仰向けで両膝を抱えて左右にゆらゆら揺らす軽いストレッチを取り入れましょう。リラックスできて、深い睡眠への準備が整います。

【夜の習慣②】就寝前はスマホを遠ざけ毎日同じ時間に布団に入る

スマホの光は脳に「まだ昼間だ」と勘違いさせ、「寝る時間です」と知らせる睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を遅らせます。就寝の1時間前には画面を閉じ、スマホは枕元から離れた場所に置きましょう。代わりに、読書や音楽でリラックスするのがおすすめです。

また、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることも大切です。特に起きる時間をそろえると、体のリズムが整っていきます。厚生労働省の睡眠ガイドでは、大人の睡眠時間は6時間以上が目安とされています。起きる時間から逆算して、毎日の就寝時間を決めるといいでしょう。ただし、必要な睡眠時間は年齢や人によって異なります。朝起きたときに「よく休めた」と感じられるかを目安にすると、自分に合った睡眠時間が見えてきます。

布団に入っても眠れないときは、鼻から4秒かけて吸ってお腹をふくらませ、口から8秒かけて吐く腹式呼吸を5回ほど繰り返してみましょう。息をゆっくり出しきることで、自然とリラックスしていきます。

【朝の習慣①】起床後カーテンを開けて朝日を浴びる

体内時計は少しずつずれるため、毎朝の光で調整する必要があります。起きたらカーテンを開けて、窓際で朝の光を浴びましょう。曇りや雨の日でも、外の光は室内の照明より明るいので効果があります。日中もできるだけ外の光を浴びると体内時計が整い、夜に自然な眠気が訪れやすくなります。

【朝の習慣②】朝食をとり決まった時間にトイレに行く

起床後はコップ1杯の水か白湯を飲み、睡眠中に失われた水分を補うのがおすすめです。朝食は抜かずに食べましょう。胃に食べ物が入ると、腸に「今あるものを先に送り出して」という合図が届きます(胃結腸反射)。

この反射は1日のうちで朝食後に最も強く起こるので、便意がなくても5分ほどトイレに座ってみましょう。いきまず、リラックスして座るだけで大丈夫です。毎朝続けるうちに、体が「朝はトイレの時間」と覚え、便意が起こりやすくなります。

おすすめの朝食は「納豆ごはん+具だくさんの味噌汁+バナナ」。睡眠ホルモンの材料となるトリプトファンに加え、食物繊維や発酵食品も一度にとれます。忙しい朝はバナナとヨーグルトだけでも構いません。

まとめ:毎日の「睡眠習慣」を見直して便秘やアトピーに負けない体へ


睡眠不足は腸の働きを鈍らせ、腸内環境の乱れはさらに睡眠を妨げます。便秘やアトピーが改善しないときは、睡眠にも目を向けてみましょう。


すべてを一度に変える必要はありません。まずはひとつ、続けられそうなものから試してみましょう。毎日の睡眠習慣を見直すことが、腸を整え、便秘やアトピーに負けない体づくりにつながります。

睡眠や食事を見直しても、なかなか改善しなかったり、つらさが続いたりするときは、一人で悩まずに腸の専門家に相談してみませんか。

◆参考文献(2026年10月11日参照)
1.健栄製薬株式会社 https://www.kenei-pharm.com/ebenpi/column/column_36/
          https://www.kenei-pharm.com/ebenpi/column/column_39/

2.大正製薬株式会社 https://brand.taisho.co.jp/colac/benpi/003/
          https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/46/
3.ロート製薬株式会社 https://jp.rohto.com/learn-more/gastrointestinal/benpi/stress/
4.厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001222161.pdf
       https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

ブログ執筆

ふみこ松咲

【腸活で新しい人生を】

40年以上の便秘から卒業した私が、忙しくても続く「ずぼら腸活」を発信いたします。
「腸が変われば未来が変わる」をモットーに、無理なく新しい自分に出会えるお手伝いをしてまいります。

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この記事の監修者
管理栄養士 加勢田千尋
一般社団法人日本腸内環境食育推進協会 代表理事